ESPACIO 2016 Vol. 2
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02宮尾 喜代男  社員は単なる物と同じ 私自身も所属会社との接点がなく、給与明細も自宅郵送、昇進・昇格の査定もいつも可もなく不可もない内容でした。仕事内容はもちろん、どういう職場環境かも知らなかった上司でした。そうこうするうちに自社への帰属意識は薄れてしまいました。これはおかしな話で、会社が社員に対していろいろな意味で接点を持って社員を大事にするべきとの思いがありました。▶創業時より、社員の働く環境(オフィスも含めて)や労働条件の改善には積極的に取り組んでおり、その時々の制度や官公庁施策に対する対応など、できることは間断なく実施してきました。    社員教育 相対的に勉強しない人が多く、十年一日が如く設計~プログラム開発だけを繰り返し行うだけで、その間に勉強や新しい知識(技術、自分の能力の拡大等)の吸収を怠ったために、仕事機会を喪失してしまう人がいました。人間は誰しも意志が強いわけではないので社員任せではなく、会社が社員の能力拡大を計画的に行っていく必要があると考えていました。技能者ではなく技術者(管理能力も技術だと思います)を育てていかなければならないということです。▶社員の自主性という観点から評価面接等による本人からの要望、会社として社員に習得してほしいスキルを身に付けてもらう(社員のキャリアを考慮)という両面での展開を図っています。    独自性のあるビジネス展開をしたい 創業当時も新たなIT企業が雨後の筍の如く次々と企業され、多くの会社は所属会社との軋轢からスピンアウトした人達で起業、運営されていました。しかしながら小資本、確たる営業基盤を持たない企業はその後単なる下請け企業になってしまい、企業としての独自性を持たない無味無臭の会社(単なる要員派遣会社)と化してしまいました。そんな会社が永遠に持つわけもなく、いずれ淘汰されることになってしまうのではないかと大きな不安を持っていました。▶アプリケーションスペース独自のビジネス展開を目標として掲げています。若いエネルギーも借りて、少しずつトライしていこうと思っています。現在取組中の新規ビジネスについては次の「これからのアプリケーションスペース」に記載します。 アプリケーションスペースの創業は、私がIT業界で仕事をするようになって10年くらいのサラリーマン生活の中で、IT業界の将来性や経営者の考え方に納得できない部分を自らの手で理想とする会社を作りたいとの思いから発しています。 創業20年を迎え、創業時の起業の思いがどこまで実現できているかは甚だ不安ではあるのですが、自己採点してみたいと思います。20周年を迎えるにあたって80点60点

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